共催シンポジウムのご案内

投稿日時 2008-09-06 15:57:33 | カテゴリ: 一般

昆虫分類学若手懇談会からの依頼により、下記のシンポジウムを企画・共催することになりました。会員の皆様は積極的な参加をお願いします。

シンポジウムのテーマは「昆虫分類学における昆虫標本管理の現状と課題」です。昆虫分類学の一番の基礎である標本に焦点を当て、昆虫分類研究で用いた昆虫標本の管理について、若手の分類学者と現状と課題を共有し、今後を考えていく良い機会と思われますので,当日の活発なコメントをいただきたいと思っております.

開催主旨
昆虫分類学にとって昆虫標本は、欠くことのできない基礎であり、また、後世に伝えていかなければいけない財産である。タイプ標本を代表とした分類学研究に使われた標本は、他の研究者にも利用できる状態で保存し、後々の検証を受けられる状態にしておかなければならない。それゆえ、分類学者には用いた昆虫標本を適切に保管・管理していかなければいけないという義務を有している。
昆虫分類学者は、博物館や大学、研究所に所属し、またはアマチュアとして分類研究を進めているわけであるが、実際、研究に用いた昆虫標本はどのように管理されているのであろうか?また、研究をリタイアされた研究者の貴重な標本は、現在どのように扱われているのであろうか?決して新しい課題ではないが、昆虫分類学者を志す若手研究者にとっては、必ず関わっていかなければいけない課題である。今回のシンポジウムでは、あえて古くて新しい課題である昆虫標本の管理に焦点をあて、現状と今後の課題を昆虫分類学者の視点に立って議論していきたいと考えている。
まず、昆虫標本を受け入れ、保存・管理を行なう側である博物館における現状と今後の課題を、特にタイプ標本を中心とした分類学研究に使われた標本の収蔵を中心に話題提供をして頂こうと考えている。発表者としては、日々研究活動が行われている大学に所属する「大学博物館」、タイプ標本等を既に多数抱えている「大型博物館」、そして、その地方の標本収蔵を期待される「地方博物館」の3種類の博物館について、それぞれに特有な現状と課題を発表していただこうと考えている。
そして、特別な標本収蔵施設のない大学などで分類学を研究されている方に、博物館とは異なる昆虫標本管理の現状と課題についてご紹介をいただき、個人で標本を管理する際に生じる問題点などについても議論していきたい。
また、分類学における標本管理において、昆虫よりも情報管理が進んでいるといえる脊椎動物における現状についても紹介していただこうと考えている。今後の参考になるとともに、昆虫標本管理における課題も見えてくるのではないかと思っている。
これらの発表を通して、昆虫分類学における昆虫標本の管理の現状と今後の課題を若手昆虫分類学者の間で共有し、共に今後の昆虫標本の管理のあり方について考えていきたいと考えている。

           記
会場:高松市幸町1-1 香川大学幸町キャンパス 日本昆虫学会第68回大会D会場
日時:2008年9月16日(火)16:00〜18:00の2時間

シンポジウム:「昆虫分類学における昆虫標本管理の現状と課題」

1.丸山宗利(九大博):「九州大学総合研究博物館の昆虫標本収蔵とその展望」

2.篠原明彦(国立科博):「国立科学博物館における昆虫標本コレクションの概要と管理の現状」

3.奥島雄一(倉敷博):「地方博物館における標本資料の集積義務とその利用価値」

4.疋田 努(京大):「脊椎動物標本の保存と管理」博物館のつかい方、つかわれ方 




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